1. トラブルを防ぐバッテリーの充電と交換時期

トラブルを防ぐバッテリーの充電と交換時期

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バッテリーの特性と自然放電のメカニズム

バイクのバッテリーは、エンジンの始動から灯火類の点灯までを担う、電気系統における心臓部とも言える重要なパーツです。
一般的にバイクのバッテリーは、走行中にオルタネーター(発電機)から電力が供給されることで充電される仕組みになっています。しかし、バッテリーは繋いでいるだけでも微弱な放電を続けており、これを自然放電と呼びます。

特にハーレーのような大排気量のVツインエンジンは、巨大なピストンやクランクを動かすために非常に大きな始動電力を必要とします。
そのため、長期間バイクに乗らなかったり、近所を走るだけの「チョイ乗り」を繰り返したりしていると、充電量よりも放電量が上回ってしまいます。
タイヤの溝が排水やグリップのためにあるように、バッテリーにも適正な電圧と容量が満たされていないと、その本来の性能を発揮することはできません。エンジンがかかりにくいと感じた時点で、バッテリー内部では既に劣化が進行していることが多いのです。

バッテリーの寿命と劣化のサイン

バッテリーの寿命は使用環境や保管状況によって大きく異なりますが、一般的には2年から3年程度が交換の目安と言われています。タイヤの溝が減ることで交換時期を目視できるように、バッテリーにも交換時期を知らせるサインがあります。
代表的なものとして、セルモーターの回転が以前よりも重く感じたり、アイドリング時のヘッドライトやニュートラルランプが暗くなったりする現象が挙げられます。
これらは電力を蓄える力が弱まっている証拠であり、放置すると出先でエンジンが始動できなくなるトラブルに直結します。

一方で、近年の高性能なメンテナンスフリー(MF)バッテリーは、寿命の直前まで高い性能を維持する特性があります。これはメリットでもありますが、ある日突然電圧がストンと落ちて使用不能になる「突然死」のリスクも含んでいます。
タイヤの断面形状が走行フィーリングに影響するように、バッテリーの電圧変化はエンジンの始動性に直結します。
そのため、2年以上経過したバッテリーは、たとえ現状で問題なくエンジンがかかったとしても、電圧計で数値を測るなどして、早めの交換を検討することがトラブル回避の鍵となります。

適切な充電管理とメンテナンス

バッテリーを長持ちさせ、トラブルを防ぐために最も有効な手段は、適切な充電管理を行うことです。
特に最近のハーレーなどのモデルは、イグニッションをOFFにしていてもセキュリティシステムやコンピューターのメモリー維持のために常に微弱な電力を消費しています。これを暗電流と呼びますが、乗らずに置いておくだけでもバッテリーは確実に消耗していくのです。
タイヤをモデルの重量や特性に合わせて選ぶのと同様に、バッテリー管理も自身の乗車頻度に合わせて行う必要があります。

週末にしか乗らない、冬場は冬眠させるといったスタイルの場合、バイク専用の維持充電器(トリクル充電器など)を使用することをお勧めします。
これは常に満充電の状態をキープしてくれるため、バッテリー内部の極板の劣化(サルフェーション)を防ぎ、結果として寿命を大幅に延ばすことができます。
パワフルなエンジンを持つハーレーだからこそ、いつでも力強いクランキングができるよう、日頃からバッテリーのコンディションを整えておくことが、快適なバイクライフを楽しむための基本と言えるでしょう。