1. ハーレーに使われるタイヤについて

ハーレーに使われるタイヤについて

タイヤの形状と特性の違いから見るタイヤの種類

バイクのタイヤは直接地面に接する唯一のパーツであることから、非常に重要度が高いものです。
それだけにタイヤにはいくつもの種類があって、それぞれに特性が異なります。

その形状の違いとしては、タイヤパターンで区分することができます。
レース用のタイヤは全く溝が入っていないものもありますが、少なくても公道で走る場合には溝を付ける必要があります。
溝はトレッドパターンとも呼ばれるのですが、この形によって特性が変わってきます。

溝は進行方向に向かって縦と横の組み合わせでパターンが変わってくるのですが、縦方向の溝は水を排水する力を与えます。
つまり、ウエット性能を付与するのが縦の溝と言えます。
一方で、進行方向に対して横の溝は偏摩耗を防ぐための溝で、よりタイヤを長持ちさせる効果を生み出すために付けられます。
この縦と横のパターンを組み合わせることで、異なるバランスを持つタイヤができるわけです。

タイヤ形状として覚えておきたい別の要素は、断面形状もしくはプロファイルと呼ばれるものです。
シングルクラウンという断面形状は、真ん中から端に至るまで均等な半径でなっています。
マシンを傾けてもタイヤの接地面積が変わりませんので、コーナリングが自然な感じになるのが特徴です。

一方で、真ん中と端とでラジアスが異なるのがダブルクラウンと呼ばれるタイプです。
マシンが立っている状態では軽いフィーリングがあり、マシンを倒すと接地面積が大きくなるのでしっかりとグリップしてくれるのが特徴です。
どちらにもメリットデメリットがあるのですが、ハーレーのバイクの場合パワーも重量もありますので、できるだけグリップ力の変化が少ないシングルクラウンのタイヤを使用した方が自然です。

太さの違いとモデルによる使い分け

同じ形状のタイヤでも、太さが違うとやはり走った時の感覚が異なります。
一般的に太いタイヤはグリップ力や安定感が高まるものですが、その一方で摩擦が増えますので加速が悪くなりますし、マシンを倒し込むコントロールがしづらくなります。
タイヤが細いと、ボディーを倒していくのがスムーズにできますし加速感が増しますが、グリップ力が落ちますのでスリップしやすくなるというデメリットもあります。

同じハーレーでもこうした点を考慮して、モデルによって使い分けがなされています。
たとえばスポーツスターファミリーなどは、ダイナファミリーに比べると多少細めのタイヤを標準装着しています。
そして、V-RODファミリーになるとずっと太いタイヤを履かせています。
それぞれのモデルで走行スタイルやバイク自体の重量が異なりますので、それに合わせてタイヤの太さも変えているのです。