クラシックハーレーでは電圧に注意
ハーレー・ダビッドソンにこれから乗ろうとする人の多くは、クラシックハーレーとされる古い中古モデルを選んでいます。
排ガス規制もあって現行販売されている新車モデルでは、静音性やコンパクト性が重視されているので、クラシックバイクのような大味な迫力を感じることができません。
バイクの歴史に大きな影響を与えたクラシックバイクに乗るというロマンは他に代えがたいものがありますが、実はそれに使用されている部品類の中にも現行のモデルでは代替できないものがあります。
まず最も注意してもらいたいのが、1964年以前のハーレーのモデルに使用されている電気系統です。
1960年代は世界的にバイクの需要が一気に高まり、かつそれまでと全く違ったバイクの役割が生まれるようになった時期です。
それまでは自転車に動力を搭載したような補助的な移動手段であった自動二輪車は、1960年代以降は重要な市民の足となり、より速く長距離を移動するための仕組みが求められます。
そのためバイクに搭載される電装機器類が一気に高性能化されており、ハーレー・ダビッドソンにおいてはそれまでの規格であった6Vを12Vへと変更しています。
更に古いバイクになると電装機器そのものがない「バッテリーレス」というタイプもあります。
バッテリーレスの場合、ライトもウインカーも付きませんし、エンジン機動もスターターではなくキックのみとなります。
そこまでのものはそうそう現存していませんので心配はないと思いますが、電装規格の異なるクラシックバイクでは現行車種にはない不都合がさまざまにありますので、デメリットを十分に理解しておくようにしましょう。
多数の電装が搭載される現在のハーレー
ハーレーに限らず現行販売されているバイクには多数の電装機器が搭載されています。
現在販売されている新車ハーレーには16種類の太さと20種類の色の配線が組み込まれており、素人にはなかなか管理しづらいというのが現状です。
この複雑な配線はライトやウインカーといったものの他、エンジン周りの動作管理やUSBによるスマホ充電など多くの用途に用いられます。
言い換えればバイクを動作させる管理部分のほとんど全ては電装によって行われているということでもあり、それがないクラシックバイクとは全く利便性が異なります。
12Vへの変更後のハーレーであっても、現行モデルと数十年前の旧モデルとではかなり電装系統に違いがあります。
ちなみにハーレーの電装は特殊であるため、メンテナンスができるスタッフや施設は限定されてきます。
バイクを購入前には電装がどのようになっているかということを確認してからでないと、思わぬ不具合を感じることになってしまうかもしれません。