1. マフラーにたまったスラッジを取り除く

マフラーにたまったスラッジを取り除く

ライダーなら覚えておきたいスラッジとは?

スラッジという言葉の意味は、堆積物とか沈殿物というもので、要はだんだん溜まっていく汚れのことを指します。
バイクの場合、マフラーに溜まる汚れのことをスラッジということが多いです。
マフラーはガソリン燃焼の副産物として、どうしてもスラッジが溜まりやすくなります。
このスラッジの正体は主にカーボンで、そこにオイル汚れなどがからまってしつこい塊として残ってしまうのです。

ガソリンエンジン搭載のバイクであればどれでもマフラーにスラッジは溜まってしまうのですが、ハーレーは特にその傾向が強いです。
これには、排ガス規制が関係しています。
よりクリーンな排ガスにするために、ハーレーではブローバイガス還元装置というものを使っています。

この装置の仕組みとしては、エンジンから出てくる排ガスに混ざってくるエンジンオイルや、完全に燃焼しきれず混合気が残っている排ガスをもう一度エンジンに戻すというものです。
そして、このいわば残りのガスを新しい混合気とミックスさせて再燃焼させることで、排ガスにオイルやガソリン分などを残さずに済みます。
環境には優れた仕組みなのですが、どうしても再燃焼の過程でカーボンが混じった排ガスが出てしまいます。
そのカーボンが、最後の出口であるマフラーに蓄積してしまうのです。

当然、スラッジがマフラーにこびりついたままでは見た目が悪くなりますし、蓄積物が多くなるとマフラーの性能も落ちてきます。
詰まりによって騒音がより強くなったり、振動が激しくなったりすることもあります。
さらに、しっかりと排気ができないとエンジンのパフォーマンスを下げる原因ともなりかねません。
そのため、定期的にススを取り除いておく必要があるのです。

スラッジの洗浄方法について

スラッジの洗浄は意外と簡単ですので、工場に頼まなくても自分でできます。
必要な物はカーボン除去剤で、これはバイク用品店で普通に販売されていますので購入しておきましょう。
そして、マフラーを取り外すための工具、マフラーが入る大きめのたらいといったところです。

作業は、まずマフラーを外します。
カーボン除去剤は通常薄める必要がありますので、お湯で適切な濃度に薄めておきます。
その除去剤の中にマフラーを漬け込んで、指定の時間放置しておくだけです。
洗浄液から取り出したら流水で汚れを落とし、拭き上げをしてマフラーを取り付ければ完成です。

洗浄自体はこれで終わりなのですが、スラッジが多くて大変ということであれば、エンジンのカーボン予防をしておくこともできます。
カーボンやスラッジの堆積を予防する特別な添加剤を使ったエンジンオイルに交換しておくと、マフラーの汚れも軽くなっていくはずです。