1. 正しいチェーンの選び方

正しいチェーンの選び方

チェーンの歴史

バイクや自転車など二輪車に使用されているチェーンは独特の形状をしています。
一般的な工事用の鎖と異なり、複数の円柱が金具で接続されておりそれがスプロケットという歯車と噛み合うことで動力を伝える仕組みです。

実はこのチェーンにはいくつかの規格があり、よく見てみるとチェーン部分に数字が記載されていることがわかります。
「520」といった数字が刻印をされているのがそれで、これは最初の5がピッチ、後ろの20がリンクの幅を示すものです。
ですのでもしチェーンをカスタマイズをしたり故障により交換をすることになったなら、もとの規格に適合したものを選ぶ必要があります。

このバイクチェーンは日本だけでなく輸入車を含む世界共通のものになっているので海外製のバイクだからといって日本メーカーのバイクと全く違ったチェーンが使用されているというわけではありません。

さてそんなチェーンですが歴史をたどってみると、1879年のイギリスにたどりつきます。
この年にイギリスのハリー・ジョン・ローソンという人が世界初のチェーン式の自転車を発明しています。
それ以前までの自転車は前輪部分に直接ペダルを設置する、現在の子供用三輪車のような構造をしていたところ、チェーンにより後輪を動かすようにしたことで一気に自転車の性能が高まりました。

その後このチェーン構造は自転車からエンジンを搭載した自動二輪にも使用されるようになり、自動車などエンジンで一般的に使われるようになりました。

ところでハーレー・ダビッドソンですが、基本的にはチェーンではなくバイクとしては珍しいドライブベルトを採用しています。
ドライブベルトはゴム式のベルトを使った構造で、ハーレー・ダビッドソンの他にもスクーターバイクでよく見られます。

チェーンは基本的に表から見えるようになっていますが、ドライブベルトは表面がパイプなどで覆われた密閉構造となっているので、メンテナンスの手間がかかりにくい反面交換をする時にはかなり大きなカスタマイズが必要になります。

ちなみにハーレー・ダビッドソンなどドライブベルト構造のバイクであってもチェーン式にカスタマイズするということは可能となっています。

チェーンの特徴

なぜハーレー・ダビッドソンがチェーンではなくドライブベルトを採用しているかというと、それはチェーン独自の特徴が関係しています。

チェーンは安価で設置がしやすく、強度があるというところがメリットとして挙げられますが、一方で常にオイルを十分に塗布しなければならなかったり、外部からの直接衝撃に弱いというデメリットがあります。

ハーレーで使用されているドライブベルトは「ゲイル・ベルト」というNASAの開発した新素材によるもので、さらに外部を密閉していることから長距離でも安定的な走行ができます。