1. インディアンモーターサイクルの歴史

インディアンモーターサイクルの歴史

マサチューセッツ州から始まった「自転車バイク」

インディアン・モーターサイクルとは、1901年にアメリカ・マサチューセッツ州のスプリングフィールドで興されたバイクメーカーです。

一時は個性的な自動二輪車を製造するメーカーとしてアメリカ国内で高い評価を得てきたのですが、第2次世界大戦後の販売不振により1953年に一旦は倒産をしています。

しかしながらアメリカにおけるバイクの歴史の中で重要な役割をしたメーカーとしてそのブランドの復活を望む声は大きく、2004年に新たに「インディアン・モーターサイクル社」が復活をしています。

大きな特徴となっているのが「自転車バイク」と言われるものをルーツにしているということで、1904年に発売した「インディアン・シングル」2hp単気筒はまさに自転車そのものにエンジンを搭載したインディアンを代表するモデルとなって
います。

このモデルはエンジンからの動力を直接リアホイールにつなげるモデルでしたが、始動時は普通の自転車同様にペダルを漕いで動かすという構造をしていました。

ハーレー・ダビッドソン同様に1900年に初頭に誕生したバイクメーカーとしてその後約50年にわたりライバルメーカーとしてお互いに存在感を示していくのですが、1920年頃に多くの人気モデルこそ登場させたもののその後次第に開発体制に遅れを取るようになっていきました。

とはいえ1920年代前後にはアメリカのバイク史に残るような有名なモデルをいくつもリリースしてきたことは確かです。

1920年代のインディアン・モーターサイクルの名車たち

インディアン・モーターサイクルの名車をいくつかピックアップしていくと、まず1920年発表の「SCOUT(スカウト)」があります。

「スカウト」は当時としては画期的な大排気量である600ccの性能を持つV型2気筒モデルです。

デザイナーとしてアイルランド出身のチャールズ・B・フランクリンを起用しており、インディアン伝統の45度Vツインエンジンをベースに前モデルをはるかにしのぐパワーアップを果たしました。

サイドバルブ式でエンジン後部に3速ミッションを搭載していることで非常に騒音が大きいことでも知られており、ハーレー・ダビッドソンに「ポリス仕様でもサイレンがいらない」とまで言わせていました。

もう一つインディアンの名車とされているのが「CHIEF(チーフ)」で、こちらは1922年に初期モデルを発表したのち1934年にモデルチェンジをしています。

この「チーフ」はインディアンのフラッグシップモデルとして長年開発を続けられていき、1950年に「CHIEF ROADMASTER」として一旦の完成形となります。