1. トライアンフモーターサイクルの歴史

トライアンフモーターサイクルの歴史

イギリスのバイク史を代表する伝統的メーカー

「TRIUMPH(トライアンフ)」は、1887年にドイツ人のジークフィート・ベットマンとモーリス・シュルトによって創業された自動車メーカーです。

創業当時は自動車を製造していましたが1902年よりモーターサイクルも手がけるようになり、初号機である「TRIUNPH MINERVA(トライアンフ・ミネルバ)」という自転車のフレームに軽量エンジンを取り付けたモデルを発表しています。

この「MINERVA」はベルギーのメーカーであるミネルバ社の製品を搭載していたことによる命名でしたが、1903年式からは英国JAP製エンジンに切り替えており、1905年式からは自社独自開発のエンジンを搭載しています。

1900年代初期には多くのバイクメーカーが誕生していますが、その中において歴史的に大きな存在感を持ったものとしてはこのトライアンフはハーレー・ダビッドソンと双璧をなすものであり、どちらの系譜こそが世界のバイクの流れであるかということについてはいまだに意見の分かれるところです。

しかしながらこのトライアンフはハーレー・ダビッドソン以上に波乱に満ちた企業としての流れを経験しており、現在においてはトライアンフ・カンパニーという企業は解散しており、ブランド名のみ残されています。

解散となったのは1984年のことで、一旦はスタンダード・モーター・カンパニーに買収をされたあと、レイランド・モーターズを始めとする自動車メーカーと統合をしています。

トライアンフの残した名車の数々

企業そのものがなくなった現在においてもなお「トライアンフ」という名称が世間に広く知られているのは、やはり過去に残した名車の数々のインパクトがあるからでしょう。

数多くの名車を生み出してきたトライアンフですが、まず代表的な車種として挙げられるのは「TRIUNPH SPEED TWIN(トライアンフ・スピードツイン)」です。

これは1937年に500ccの排気量で発表されたもので、当時トライアンフのチーフエンジニアであったエドワード・ターナーがその実力を発揮したモデルとして知られています。

このエドワード・ターナーは僅かな資金からヒット商品を作り出す才能があるとしてよく知られており、その創意工夫は「スピードツイン」においてパラレルツインというエンジン型式によって実現されています。

エドワード・ターナーはもともとはスクエアフォアという別のメーカーのエンジニアでしたが、トライアンフが買収されたことによりそちらを担当することになっています。

現在においてもトライアンフは個性的なデザインが多くのファンを獲得しており「ボンネビル」や「スピードトリプル」といったモデルが有名です。